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「10月の香港市場はファンダメンタルズが株価を下支えするのではないか」中国レポート10月号での田代尚機氏(株式会社サーチナ顧問)の予想通り、10月の香港市場は上昇トレンドを継続。2008年8月以来の高値を更新しました。
それでは
11月の香港市場も上昇トレンドは継続するのでしょうか?
さらに見逃せない田代氏の注目5銘柄とは!?今月もマネックス中国レポートは盛りだくさんの内容でお伝えいたします。
10月のハンセン指数は大きく上昇した。10月2日を底値に反転上昇、23日現在、終値ベースで22,589.73ポイント、昨年8月1日以来の高値を更新した。NYダウとの関連性の強いハンセン指数であるが、10月前半はNYダウ同様の強い動き、中旬以降、NYダウが高値圏でのもみ合いとなったものの、ハンセン指数は上海総合指数同様、上昇トレンドとなった。
上昇の要因は、大きく分けて3つ。
1つ目は
「世界の投資家が世界経済に対する回復期待を膨らませたこと」
である。10月6日、オーストラリア準備銀行が政策金利を引き上げたが、世界の投資家は、金利を引き上げられるほど景気は強いのだと評価した。また、依然として世界経済の大きな部分を占めるアメリカにおいて、企業業績への回復期待が高まったこともあり、世界の投資家はリスク許容度を高めたのである。
2つ目は
「中国経済の急回復」
である。10月22日、第3四半期の実質GDP成長率が発表され、結果は8.9%。第1四半期は6.1%、第2四半期は7.9%。第3四半期は、第2四半期に続き大きく回復した。ちなみに、昨年の第3四半期は9.0%であり、ほぼ同じ成長率まで回復している。10月1日に発表されたPMI指数、同11日に発表された金融統計、貿易統計などは、いずれも第3四半期の強い景気回復を示唆していた。政府系、欧米系の研究者が事前にコンセンサスを引き上げるようなレポートを発表したことで、10月初旬から、景気回復に対する楽観が市場を支配した。
そして3つ目は
「香港市場への資金流入」
だ。米中貿易に関して米国側の赤字はなかなか減らない。米中貿易摩擦は激化する一方である。こうした状況で、人民元切り上げ圧力が高まっている。本土では、金融当局はホットマネー流入に大きな懸念を示している。香港では、実際に大量の“香港ドル買い”が入っている。金融当局は香港ドルの米ドルペッグ制を維持するために、大量の米ドル買い介入を行っており、10月は介入金額で5月を抜き、今年最大規模となっている。香港金融市場では過剰流動性が高まっている。
10月の好調を支えた3つの要因の内、2つ目の「中国経済の急回復」は第4四半期も続くと思われる。リーマンショックから1年が経過しており、第4四半期の企業業績は大きく回復へ向かうであろう。銀行、不動産、自動車、一部の家電を含む消費関連など好業績がはっきりしてきたセクターだけでなく、鉄鋼、輸出関連、航空といったセクターの業績底打ちに期待がかかる。依然として、消費者物価指数、卸売物価指数ともにマイナス圏。7月を底に下落幅を縮め始めているが、金融引き締めに転じるまでにはまだ半年程度の猶予がありそう。金融政策は引き続き緩和状態が続き、当局の指導も微調整の域に留まるであろう。
3つ目の「香港市場への資金流入」も継続しそうだ。本土金融当局が人民元の米ドルとの事実上のペッグをやめない限り、人民元上昇期待は続くと予想される。こうした状況で香港市場の過剰流動性も維持されそうだ。
欧米の金利や経済の動向、出口戦略の変化などによって、欧米投資家のリスク許容度が低下するようなこともあるかもしれない。そうなれば、ハンセン指数も一旦は調整することになるだろう。しかし、やがて、中国、香港市場に対して選択的に資金が流れ込むだろうと予想され、世界の市場の中では相対的に強い状態が続くであろう。
10月好調であったセクターは紙、石油関連、自動車、電機・電子部品、不動産、海運、銀行、保険など。世界経済の回復、石油価格の上昇、政策による業績好転などが、株価上昇の要因となった。一方、軟調であったセクターは、鉄道建設、高速道路、空運、通信、ガス、電力など。業績は好調だがサプライズのないセクター、ディフェンシブなセクターは投資家の支持を得られなかったようだ。
人民元上昇期待が高まりを受け、11月は、
資源、不動産、銀行、自動車など
人民元上昇期待で恩恵を受ける内需関連に注目。
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田代 尚機氏
(株式会社サーチナ顧問)
1958年愛知県生まれ。1984年東京工業大学大学院理工学専攻修了後、大和総研に勤務。1994年から大和総研の代表として北京に駐在し、中国経済担当エコノミスト、中国株担当アナリストとして活動。
2003年10月から2007年2月まで内藤証券に勤務。中国部長としてプロモーションを中心に中国ビジネス全般を担当。2008年TS・チャイナ・リサーチ株式会社を設立し、現在は中国株・中国経済に関する雑誌やセミナー等への出演を中心に活躍の場を広げている。
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